平成29年第3回定例会・小林たかや一般質問内容(全文)

平成29年第3回定例会に当たり、一般質問をいたします。

始めに、「地域コミュニティの再生についてお伺いいたします

都心区は、依然止まらぬマンションの建設ラッシュが続いております。千代田区は、今後3年間で約3000戸のマンション供給が見込まれ人口の増加が予想されます。目標人口5万人を超えた千代田区にとって人口増加自体は好ましいとは言えません。マンションの新住民と旧来からの地域住民との交流機会は乏しく、特に従来の町会コミュニティとマンションコミュニティは、地域コミュニティ形成の問題を提起し続けてきました。

平成29年2月の千代田区民世論調査では、区民は10年で半分の人が入れ替わるという結果です。

驚くことに平成13年の千代田区民世論調査と比較すると

平成13年 短期居住者(10年未満)は27%、長期居住者(30年以上)は53%です。15年後の平成28年では、短期居住者(10年未満)51%

長期居住者(30年以上)が27%と逆転しています。

15年で数字が逆になっています。

 

 マンション住民は着々と増え続け、「永住するつもり」が33%「当分はここに住むつもり」が52%で合わせると85%と大変高い定住の意向が調査結果で出ています。

また、平成25年に実施した「地域コミュニティ施策の一元的な推進」区民アンケートによると地域課題は、「防災対策」・「防犯強化及び治安の維持向上」と6割が答えています。

地域の方々と係わりを持つことが良いと思っている人は8割でその方法は、76%が「普段からのあいさつや声かけ」57%が「交流や親睦の機会」50%が「防災・防犯などの地域問題の解決に一緒に取り組む」という3点が上位を占めています。

『地域課題解決に向けた取組に興味・関心があるという人』は、5割以上います。

地域活動団体に期待することは、「どんな活動をしているか知らせて欲しい」人は4割いますが、地域情報の入手方法と入手したい媒体は千代田区の広報誌が6割、千代田区広報掲示板が4割と千代田区の広報に期待している割合が多いという結果です。


10年前の平成19年、区長宛てに連合町会長協議会より「マンション住人や企業の地域貢献活動への参画促進を求める要望書」が提出されました。要望書では、2つの問題が指摘されました。

一つは、マンション住人の地域活動への参画の問題です。

二つ目は、区内企業の町会や商店会と一体となった地域貢献、社会貢献の問題です。千代田区に地域の総合調整者として、地域を活性化させるように的確なリーダーシップを取って欲しいという要望でした。

 

1 地域情報の発信を充実させるための方策 

マンションや企業との相互理解を促進するために、地域の特性に応じた情報提供の方策を検討していきます。

連合町会別『年中行事カレンダー』の作成と配布

地域情報を紹介するホームページの開設支援

マンション・企業向け連絡調整役の支援

2 地域交流を促進させるための方策 

『住み良いまちを創る』という理念を共有するために、共通の課題をテーマにした様々な交流活動を検討していきます。

町会主催イベントにおける交流ブースの設置

町会とマンション住民との意見交換会

町会とマンションとの合同地域防災訓練

3 町会加入を促進させるための方策 

これまで蓄積したノウハウを集約し、それぞれの町会がマンションや企業に対して、円滑に町会加入を勧める『千代田ルール』の作成を検討していきます。

☆地域と良好な関係を保つためのガイドライン

町会加入の手引書

 

これらの要望された具体的な行動計画が実行されていたのでしょうか。ここで質問します。

  • 町会コミュニティとマンションコミュニティの交流の輪が広がっていない状況について、どのような認識でいるのか。
  • これらの要望された行動計画は、どこまで実行されて、何が出来ていないか。

現在区は、どのような認識でいるのかお答えください。

  • 町会とマンションの連携に必要な取組の上で、区の広報活動は、まだ改善の余地があります。

紙媒体の配布の仕方を多様化しては如何ですか。

まちみらい千代田開催のマンション連絡会では、各マンションに広報誌を置くスタンドを無料で設置したので広報誌が住民に取りやすくなったと聞いています。

このような取組を各方面に広げては如何でしょうか。

また、特に若者には、SNSが必要ではないでしょうか。如何ですか。

  • マンション住民が8割を超え、短期居住者が5割を超える現状では町会コミュニティとマンションコミュニティの融合を図ることは困難であり、地域分断につながる面も否定できません。

区のご見解は如何ですか。


では、千代田区は今までどのような対応をしてきたのでしょうか。

区は、ちよだマンションカフェの開催を平成28年度は20回478名、平成28年度は14人のマンション地域生活協力員を配置しました。地域コミュニティ活性化事業として平成28年度は地域イベント5件の支援をしています。

一方、まちみらい千代田は、マンション対策として防災計画等策定支援、マンション防災対策等を行い、社会福祉協議会は、ご近所福祉活動、ボランティア活動の支援等の地域活性化施策を行ってきました。区が担ってやっている部分は、小さすぎます。

マンション関連事業は、まちみらい千代田と社会福祉協議会に担ってもらっているのが現状であり直接やっていないので成果が相乗効果として見えにくいのではないでしょうか。

ここで質問します。

  • マンション施策を「まちみらい千代田」と「社会福祉協議会」に

任せきりではないのか。ご見解は、如何ですか。

  • 京都市では地域コミュニティ活性化推進条例により、新たにマンションを建てようとするときなどに、地域との連絡担当者を決めていただくことなども定めています。このような仕組み等を導入して、地域コミュニティ町会等と情報を共有してはどうですか。仕組みを解説します。


別記様式(第1条関係)

連絡調整担当者届

(宛先) 京   都   市  長     年    月    日
届出者の住所(法人にあっては,主たる事務所の所在地) 届出者の氏名(法人にあっては,名称及び代表者名)
 
□第15条第1項

□第15条第3項において準用する同条第1項

京都市地域コミュニティ活性化推進条例

の規定により届け出ます。

共同住宅 名称  
所在地  
新築工事完了(予定)年月日           年    月    日
入居開始(予定)年月日           年    月    日
住戸の数                     戸
連絡調整担当者   事業者の住所及び氏名(法人にあっては,連絡調整担当者の所属する事務所の所在地及び名称) 連絡調整担当者の所属,氏名及び連絡先
新築工事    電話  -    
販売    電話  -    
賃貸    電話  -    
管理    電話  -    

注 該当する□には,レ印を記入してください。


私は、現在の政策に加えて地域コミュニティ再生のためには、低未利用地の利活用により区として新たな転入住民対策が必要と考えます。その一案として、低未利用地を利活用し、ベンチャー企業やクリエイターのインキュベーション機能を強化することで、千代田区内の空き家にベンチャー企業及びその従業員やクリエイターの転入を促進する方策を図っては如何でしょうか。

従来も「ちよだプラットフォームスクウェア」や「アーツ千代田 3331」が、創業支援やクリエイター支援の機能を担っていますが、これら施設に集まる方々は、行動的な若者が多く、地域のお祭り等の行事にも積極的に参加したい意向を持っている人も多くみられます。

そこで、現在区が所有している低未利用地を活用して、上記施設と類似の機能を持つハブ施設を作り、そこを拠点に転入住民と従来の地域住民との新たな交流関係を創出し、地域コミュニティの再生を促すことを提案します。

具体的には、下記の3つの政策を提案致します。

政策案1:低未利用地を活用ハブ施設の拡充

先ほど申し上げたとおり、区が所有する低未利用地のうち、創業、クリエイター支援のハブとなる拠点を整備し、ベンチャー、クリエイターの流入を加速します。具体的には従来の「ちよだプラットフォームスクウェア」「アーツ千代田 3331」のブランチ創設、民間事業者公募によるハブ施設の運営等が想定されます。

政策案2:空き家対策を兼ねて、ハブを活用するベンチャー従業員、クリエイターに千代田区内への転入促進策

区内のハブ施設を利用する企業やクリエイターが、区内の空き家等に転入する場合のリノベーション費用、転入費用、家賃の一部を補助します。これは現在問題となっている空き家率の低減、老朽化が進んでいる住宅の更新投資促進にもつながります。

政策案3:士業の独立開業支援

地域で弁護士・税理士になったばかりの方の独立開業の支援を行なう等です。

これら政策案に関して、区役所としてのお考えをお聞かせ下さい。


最後に

地域交通のあり方(現状の課題認識と今後の区の姿勢)についてお伺いいたします。

高齢者の移動手段の確保について

高齢化率の高まりに加え、高齢者の外出頻度が高くなっており、特に自動車による外出頻度が高くなっています。

一方、高齢者の交通事故件数は平成以降の約20年間で5.5倍へと増えており、これは、非高齢者の交通事故件数がほぼ横ばいであるのに比べて際立っています。高齢者の運転免許保有人口の変化、平成以降の約20年間で4.4倍と比べてみても多くなっています。

また、区では地域交通として、小型バス新「風ぐるま」を実施していますが以前と異なり停留所までしか行かなくなり大変不便をきたしています。高齢者の中には、外出機会が減少してしまった方々も見受けられます。

区が導入したコミュニティサイクルは高齢者には、システムやポートの問題等で乗れないと言う現状です。

ここで質問します。

高齢者の移動手段の確保について区のご見解は如何ですか。


次に

千代田区の特性と千代田区における超小型モビリティの利用についてお伺いいたします。

国土交通省は、地下鉄駅に近接した箇所に、我が国では初となる道路上のカーシェアリングステーションを設置し、公共交通とカーシェアリングの連携強化による公共交通の利用促進の可能性を検証する社会実験を昨年12月より今年の12月まで実施しています。

 

これの実証実験に千代田区も参加しています。

これには、千代田区も関わっていますが今何をしているのですか。

お答えください。

スクリーン閉じ

また、区は地域交通について、いろいろなことをやろうとしていますが

どうするつもりなのですか。

今後の取り組み(区の姿勢)について、区のご見解をお願い致します。

上記の点について、区長の明快な答弁を求め質問といたします。

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