区民の想いと文化財が実は損壊していた。この事実の問題の根源は?

文化庁が文化財保護条例の改正(平成30年法律第42号)をしたことを受けて石川区長が千代田区の教育委員会から地域振興部に事務の職務権限の移管を行う議案を千代田区議会定例会に平成31年2月に提出しました。小枝すみ子が現在から過去に遡り文化財保護の観点からあるべきでなかった事実について追求し白日の下に晒した。いったん立ち止まりあるべき姿に戻すべきといった思いが伝わった結果、区長は議案を取り下げ、議会は附帯決議を付すことに決した。

戦後、昭和時代において千代田区民は様々な理由から文化的価値のある各個人の遺産をその保存と将来への継承を求め千代田区へと寄付してきた。千代田区はその適正な保存の為に博物館法に基づき教育委員会管理のもと、千代田区立四番町歴史民俗資料館にて適切に保管してきた。歴史民俗資料館は展示のみならず各種資料や美術品等の保管に適した施設を備えている為、保存設備に問題は無かった。

千代田区立四番町歴史民俗資料館

平成21年に、都立日比谷図書館が東京都から千代田区に移管されると石川区長の提言により文化財の管理職務権限を、教育委員会から、地域振興部に補助執行させることとさせ、同時に歴史民俗資料館に保存されてきた資料など有形の文化財を日比谷図書文化館に移動することになった。

このとき議会への説明では、移動対象は「一部」だったが実際にはその「全て」が対象とされた。議会での説明以後はとりあげられることも殆ど無く、多分あったであろう学芸員たちの声も反映することもなく時間が経過してきた。

日比谷図書文化館

石川区長が選任する教育委員会は子供教育専門の人選となっていたことも手伝って、地域振興部(人事は石川区長の采配による)に一任されてきたかたちをとっていたのだが、その実、地域振興部のもと、適正かつ適法な保存方法での各資料保存が日比谷図書文化館において行えなかった結果、資料の一部は朽ち、破れ、カビが発生するなどいわゆる不適切な状態と化していた(古今和歌集等含む)

このような事実があったまま体制のあるべき姿を模索や見直しをすることなく単純に地域振興部に管理を移管しても本来行われるべき価値の保護・保存に疑問が残る。文化財の保存と継承をおこなうべく、文化財総合調査を計画的に実施、収蔵庫敷設の博物館法に基づく施設整備のため財源を確保、文化財保護審議会の機能強化を区議会として決議しました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加